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エコーのコーヒー

江戸時代、小石川吉祥寺から四軒の寺と共に数十家族の農家が武州吉祥寺村(現武蔵野市吉祥寺地区)に移住してきた。この農民達にとって、吉祥寺の「土」は、雨が降れば一面ぬかるみ、風が吹けば砂塵舞飛ぶ、ひどく痩せた土だったそうだ。何を作付けてもまともな収穫がなかく、農民達の暮らしぶりは、生きるのがやっとという状態。

したがって村人(むらびと)が死んでも葬式を簡単にすませ(おんぼ焼きをすぐにして)、その日のうちに初七日の法要もしてしまう。そうでもしないと農地の世話すら出来なく、自分たちも餓死してしまう。.........そんな生きてゆくのもやっとなぐらい厳しい吉祥寺だった。

このような逸話を親族の葬式のときに、吉祥寺で最も古い四軒寺(しけんでら)の一つである「安養寺」の住職から聞いた。いまは一般的になった葬儀の日に初七日の法要をする習慣は、吉祥寺が発祥だという。

そんな吉祥寺は私が育ったところだ。春には土煙(つちけむり)で空一面がオレンジ色になったほど、畑の多い街だった。
エコーのコーヒー_e0049318_23381544.jpg

一方、駅前は四軒寺を中心に門前町として発展してきた。「ハモニカ横町」を代表格に寺の貸家で多くの商店が店を構え、新宿以西で最もにぎやかである。
そんな吉祥寺に昔からある喫茶店「エコー」。「脚本家のKRM氏」や「芝居の座長のKWZ氏」などのうるさがたも常連だった店だ。私は高校1年の時始めて入った。その時から全く雰囲気が変わっていない。(正確には平成に建て変わって店は2階になったのだが1階が2階になっただけで何一つ変わっていない)

ネルドリップでいれたコクのあるコーヒーは自家焙煎、泡立てたミルクと一緒にシンプルなカップになみなみと注がれてでてくる。水はもちろん武蔵野の地下水、かなりのコーヒー通をおつれしても満足してもらえる。もうすっかり初老のご主人夫妻とその妹さんできりもりしている。東急百貨店(昔の名店会館)正面左手の道をはいって3軒目、街の自慢の珈琲屋さんである。吉祥寺にお出かけの節は是非おためしあれ。
Commented by hanamokoshi at 2009-11-05 12:14
店のじいさんが、手ブルブルさせながら牛乳注いでるの見たら、志村けんみたいで笑ってしまいます。「ボガ」のほうは店のスタイルを変えてしまったので、今はここしか立ち寄らなくなりました。
Commented by shinmemo0417 at 2010-11-27 13:20
hanasmokoshiさん、気がつきませんでした
主没する街が吉祥寺なのですね
これからもよろしく
by shinmemo0417 | 2005-08-14 07:53 | Kichijouji | Trackback | Comments(2)

風に吹かれてふらりふらり.......気ままに行き着く先は? shinの備忘録


by shinmemo0417
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